金融庁が銀行業界に対し、預金口座をオンラインや郵送で開設する際、運転免許証の画像で行う本人確認手続きを早期に廃止するよう要請したことが16日、分かった。口座が偽造され特殊詐欺などに悪用されるケースが後を絶たないためだ。6月24日に改正された犯罪収益移転防止法(犯収法)で原則廃止が決まった2027年4月を待たず、成り済まし防止機能が高いマイナンバーカードの活用を促す。
本人確認の厳格化は犯収法が定める特定事業者が対象となっている。銀行に加えて証券会社やクレジットカード会社なども含まれる。金融庁は今後、金融業界に幅広く周知するとみられる。
金融庁は16日付の文書で「可及的速やかな対応」を求めた。マイナカードのICチップ情報の読み取りに関わる機能を備えたシステムへの更新に費用や時間がかかるため、早めの準備が必要だと判断した。
銀行業界では従来、口座開設の手続きを店舗で行う客が多く、行員が窓口で身分証の提示を求め、本人かどうかを確認していた。デジタル化する際に基本的にこの流れを引き継ぐ形になった。