財務省が17日発表した6月の貿易統計(速報、通関ベース)は、米国向け輸出額が前年同月比11・4%減の1兆7071億円となり、3カ月連続で減少した。同時に発表した上半期(1〜6月)でも前年同期比0・8%減となった。自動車の落ち込みが顕著で、トランプ米政権による追加関税が影響した可能性がある。裾野が広い自動車産業への打撃が長期化することで日本経済全体への波及が懸念される。

 6月の米国への自動車輸出に関しては台数ベースでは増加したものの、金額は約3割減少した。排気量が大きい大型車の減少が目立っており、日本車メーカーが関税引き上げの影響が比較的小さい安価な車種の供給に移行しているとみられる。

 高関税となったその他の品目では、金額ベースで鉄鋼が約3割減少、自動車部品が約2割減少した。

 世界全体の上半期の輸出から輸入を差し引いた貿易収支は、2兆2158億円の赤字だった。前年同期からは1兆円程度改善したものの、赤字は半期ベースで8期連続となる。