「地方の病院は人手不足かもしれないが、その分、人材一人一人を大切にしている」と語る幸脇正明さん=4日、中津川市駒場、市民病院

 6月末の東京国際展示場(東京ビッグサイト)は、全国から集まった医療機関の採用担当者や都道府県庁の医療政策担当者、臨床研修医を志す医学生でひしめき合っていた。開かれていた就職ガイダンスでは中津川市民病院(同市駒場)をはじめ地方の病院がブースを連ねたが、興味を示す学生は少なかった。「中津川と聞いてもピンとこないのだろう。名古屋市だと少しは違うが」と同病院の採用担当者は肩を落とした。

 全国どこの病院も人材不足に陥っている。「だからこそ地方の病院は、待っているだけでは絶対に人材を充足できない」。ここ数年、研修医と看護師の就職ガイダンスに可能な限り出展し続けている。研修医の場合、希望者と研修先の病院の組み合わせを決めるマッチング制度があるが、同病院で2024年度に成立したのは4人。23年度は1人を確保するのがやっとだった。「地方の病院の立場はとても厳しい。...