中田一於さん(文化庁提供)

 文化審議会は18日、重要無形文化財保持者(人間国宝)に、上薬の下に絵付けなどの装飾を施して焼き上げる陶芸技法「釉下彩」の中田一於さん(76)=石川県小松市=や、尺八の善養寺惠介さん(61)=埼玉県所沢市=ら6人を認定するよう文部科学相に答申した。釉下彩の人間国宝認定は初となる。

 他の4人は、常磐津節三味線の常磐津都喜蔵さん(83)=京都市、漆を塗る技法「☆(髪の友が休)漆」の林曉さん(71)=富山県高岡市、彫金の奥村公規さん(75)=東京都東久留米市、木工芸の渡辺晃男さん(72)=東京都多摩市。答申通り決まる見通しで、人間国宝は110人となる。

 中田さんは淡い青色の上薬の下に銀を用いた装飾を施した作品が特に高い評価を得ている。善養寺さんは尺八の古典曲に取り組む数少ない演奏家として知られ、箏と三味線との合奏では曲の趣を捉えた音色と調和の取れた演奏に優れている。

 常磐津さんは詞章に描かれた情景や登場人物の心情を弾き分け、巧みな間合いで太夫の語りを支えている。