冷凍倉庫で保管されているマグロ=6月、静岡県焼津市(シズオカコールドストレージ提供)

 再生可能エネルギーの最大限活用に向け電力の需給バランスを安定させようと、中部電力ミライズなどは今月、天候によって大きく変わる太陽光、風力による発電量に合わせて冷凍マグロ倉庫の使用電力を調整する取り組みを静岡県焼津市で始めた。電気の消費者側が需要を調整する「デマンドレスポンス」の一環だ。

 取り組みには冷凍マグロを保管する焼津市の会社シズオカコールドストレージの倉庫(床面積1859平方メートル)を活用。大型冷凍機4台(計300キロワット)で、倉庫内は年中マイナス60度に保たれ、ミナミマグロやクロマグロなどが保管されている。

 曇って太陽光発電が振るわない時や、気温上昇でエアコン利用が増えるなど電力需要が伸びる際、ミライズの制御システムが遠隔指令を送り冷凍機の使用電力を減らす。

 冷凍機を一時的に弱めても、きんきんに冷えたマグロ自体が保冷材の役割を果たして倉庫内の温度変化はわずかで、鮮度に影響は出ないという。