【北京共同】中国国家安全省は18日、中国からレアアース(希土類)を密輸しようとする事案があったとして、取り締まりを強化する方針を表明した。不審な動きは直ちに通報するよう国民に求めた。中国はトランプ米政権の関税圧力に対抗するためレアアース輸出を規制、外交カードに利用しており、国民を総動員して密輸を監視し、資源管理を徹底する。
国家安全省は通信アプリ、微信(ウィーチャット)の公式アカウントに密輸の具体例を投稿。レアアースを自国で生産できない「ある国」が品名を偽装するなどして郵便で国外に輸送しようとしたと指摘した。
また「海外のスパイ機関」が中国国内の協力者に指示して未申告のレアアースを申告済みの貨物に隠したり、粉末にしてタイルの原料に混入したりする手口も確認されたとした。密輸に関与した国名や時期などは明らかにしていない。
国家安全省はレアアースを「軍民両用(デュアルユース)の国家戦略資源で、工業の黄金と呼ばれている」と重要性を強調した。