関西電力は22日、美浜原発1号機(福井県美浜町)の建て替えに向けた調査を実施する方針を発表した。森望社長が大阪市内で記者会見し、正式表明した。地元にも説明する。新たな原発の建設は2009年に運転を開始した北海道電力泊原発3号機が最後で、11年の東日本大震災発生以降は止まっている。実現すれば、震災後初となる。
関電は福井県と敦賀市でも記者説明会を開く。22日中に地元に方針を伝達する見通しだ。美浜原発は現在、3号機が稼働しており、1、2号機は廃炉が決まっている。関電は10年に建て替え(リプレース)を表明し調査をしていたが、東京電力福島第1原発事故の影響で止まっていた。
国内では将来の電力需要の増大が見込まれており、安定供給に向けて原発の新増設が必要だとの意見が出ている。政府も今年2月に改定したエネルギー基本計画で原発回帰を打ち出していた。
11年の東京電力福島第1原発事故以降、原子力規制委員会が厳しい規制基準を策定したため、調査は当初想定していた場所に限らず、一から検討するとみられる。