愛知のものづくり企業と連携、約4,000万円の研究開発費を活用し開発を加速
世界初のフュージョンエネルギー実用化を目指し、「Helix Program」のもとヘリカル型核融合炉を開発する株式会社Helical Fusion(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:田口昂哉、以下「Helical Fusion」)は、愛知県主催のディープテック推進事業「Aichi Deeptech Launchpad」の2025年度参加企業として採択されました。
今回、2023年度、2024年度に引き続き3年連続の採択となりました。愛知県とCIC Institute、株式会社リバネス、およびフォースタートアップス株式会社によるディープテック系スタートアップに特化した強力な継続支援、更に約4,000万円の研究開発費を活用し、コア技術の開発を加速します。
主催者によるプレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000111.000063842.html

Aichi Deeptech Launchpadについて
愛知県は産業競争力を維持・発展するために、スタートアップを起爆剤とする新たなイノベーション創出戦略「Aichi-Startup 戦略」を2018 年 10 月に策定しました(2025 年改定)。本戦略は、イノベーション創出の主たる担い手であるスタートアップやユニコーン企業の連続的な創出や、イノベーションの社会実装を実現するスタートアップ・エコシステムの形成と持続的な発展を目標としています。Aichi Deeptech Launchpad Acceleration 2025は、愛知県の産業構造と親和性の高い分野ディープテックスタートアップを中心にハンズオン支援を行い、その技術の社会実装や破壊的イノベーションによる既存市場の転換、社会課題の解決、新規市場の創出を図ることを目的としたディープテック特化型のアクセラレーションプログラムです。
Aichi Deeptech Launchpadのポータルサイト:https://aichi-deeptech.com/
愛知県知事表敬訪問
2025年7月28日(月)、Aichi Deeptech Launchpad採択企業として愛知県知事あて、代表取締役CEOの田口らが表敬訪問を予定しています。
愛知県によるプレスリリース:https://www.pref.aichi.jp/press-release/deeptech2025-hyoukei.html
アクセラレーションプログラム期間における主な取組予定
- ブランケット開発商用フュージョンエネルギープラントにおいて、エネルギーの取り出しなど重要な役割を担う「ブランケット」※と呼ばれる機器に関して、愛知県の菱輝金型工業様と協働して試作品の製作を行い、技術の成熟度を高めます。
- 事業開発
ディープテック分野における事業開発に関して豊富な知見を有する支援チームによるメンタリング機会等を活用し、事業開発についても更に加速させていきます。
※語源は覆うもの、毛布という意味。フュージョンエネルギー開発分野では、フュージョンプラントで生成したプラズマを覆う内壁を指し、反応から出てくる大量の中性子を受け止め熱に変える。また、外側にあるコイルや他の機器を中性子から保護するほか、燃料となるトリチウム(三重水素)を生成する役割も担う。
菱輝金型工業株式会社について
菱輝金型工業株式会社は、航空宇宙分野を中心に、金型や治工具の設計・製作を行うメーカーです。国内最大級の設備を有し、航空機・ロケット向けの一品物の金型製作をはじめ、ファクトリーオートメーション、鉄道車両、道路インフラ向けなどの産業機器部品の製作にも対応しています。
Helical Fusionとは、今回取り組むブランケットの開発とともに重要なテーマである「高温超伝導マグネット」分野において、既にコラボレーションをすでに開始しており、難易度の高い三次元構造のモデリング・高精度の切削加工など、核融合という新たな領域でも高い技術力を発揮しています。
所在地:愛知県一宮市
設立:1967年(昭和42年)6月
代表者:代表取締役 原 康裕
ホームページ:https://www.ryoki.co.jp/

コイルケース試作品の加工風景。硬度の高い素材を、五軸加工機で慎重に削り出していく。

高温超伝導マグネットを収める「コイルケース」の一部の試作品。三次元らせん形状が精密に削り出された。核融合炉では、部品を繋げてドーナツ状にするため、ずれが生じないよう正確性が重要。
菱輝金型工業 代表取締役社長 原康裕 様のコメント
近年、注目度と期待値が飛躍的に上がっているフュージョンエネルギー分野において、重要な一翼を担われているHelical Fusion様が、本年も愛知県様からの採択を受けられたとのこと心よりお祝い申し上げます。また、この度弊社とコラボレーションの機会を頂けましたこと誠に光栄に存じます。これまで自動車金型や航空宇宙産業で培ってまいりましたノウハウを活かし、ヘリカル型核融合炉の開発に寄与できるよう、全力で取り組んでまいります。
Helical Fusion 代表取締役CEO 田口昂哉のコメント
Helical Fusionは、名古屋大学にルーツの一つを持ち、そして今回コラボレーションさせていただく菱輝金型工業様のように、極めて高い技術力と志を誇る愛知の企業様のお力を借りて事業を前進させることができています。Aichi Deeptech Launchpadに象徴されるように、愛知県様には、ディープテックスタートアップに寄り添った、具体的かつ一歩踏み込んだ支援をいただき、非常に心強く感じております。
3年連続での採択に感謝しつつ、ご期待に応えられるよう邁進してまいります。
背景
フュージョンエネルギー開発の意義
世界の人口は2050年までに約17億人増加すると予測され、生成AIの普及も背景とした世界的な電力需要の急増に対し、既存発電方法のみで応えることは厳しい見通しです。フュージョンエネルギーは、太陽の輝きと同じ原理を使ったクリーンで効率性の高い発電方法であり、海水等から豊富に採取可能な燃料を用いることからも、世界的な課題を抜本的に解決する技術として期待されています。核融合プラント建設および電力市場は2050年までに世界で年間5500億ドル規模にまで成長するとの試算もあり、今後自動車産業のように日本が世界をリードする巨大産業を創出できる可能性がある一方、国際的な開発競争も激化しています。
日本から世界のエネルギー産業をリードできる唯一の技術「ヘリカル方式」
Helical Fusionが開発する「ヘリカル型核融合炉」は、岐阜県にある世界有数の核融合の国立専門研究機関「核融合科学研究所」をはじめ、日本で約70年にわたって蓄積されてきた研究の知見を引き継ぐものであり、プラズマ研究・炉設計と工学研究成果の両面から、実用化に最も近い技術です。
核融合炉を発電所として商用利用するためには、核融合反応を起こすことはもちろん、
1.定常運転(24時間365日運転可能な安定性)
2.正味発電(外部へ十分にエネルギーを出せる)
3.保守性(短期間で効率的なメンテナンス)
という「商用核融合炉の三要件」をすべて満たす必要があります。
現在、トカマク方式やレーザー方式をはじめとして、世界中で複数の方式を開発する50以上のプロジェクトがありますが、この三要件を「今ある技術」で実現可能な方式は、唯一「ヘリカル方式」を用いるヘリカル型核融合炉のみです。
Helical Fusionは、世界初の「商用核融合炉の三要件」を満たす核融合炉を2030年代に実現、世界に先駆けて商用化してゆくことで、真に持続可能で高効率なエネルギー源の実用化を目指しています。

Helical Fusionが開発する世界初の商用利用可能なヘリカル型核融合炉「Helix KANATA」のイメージ

■企業プロフィール
Helical Fusionは、日本生まれの「ヘリカル式」核融合炉で世界初の核融合エネルギー(フュージョンエネルギー)の社会実装を目指すスタートアップです。
核融合エネルギーは、高効率で安全・安定的な供給が可能かつCO2を排出せず、21世紀を生きる我々が直面する環境課題を抜本的に解決しうる技術です。
弊社は、国立研究所のスピンアウトベンチャーとして、日本で数十年かけた膨大な核融合研究の成果を引継ぎつつ、日本の技術力をフル活用して、世界初の核融合プラント実現を目指しています。
世界でも稀有な炉全体の開発・設計技術だけでなく、要素技術の開発力も高く評価されており、核融合用の先端技術(超伝導)では、文部科学省から20億円の補助を受けて開発を加速しています。
2025年には、経済産業省が運営するスタートアップ支援プログラム「J-Startup」にも選出されています。
■世界初の挑戦を実現するチーム
核融合に関する研究分野は多岐にわたりますが、商用化に向けては、全ての要素技術を統合し、核融合炉として動かすための「炉設計」の専門性が不可欠です。一方、この専門性を有する人材は世界的にも非常に稀有な存在です。
Helical Fusionは、世界最高峰の炉設計研究の歴史をもつ国立研究機関である核融合科学研究所の知見を引き継いで商用化を目指す会社です。
長年、世界の炉設計研究を率いてきた科学顧問の相良とともに、CTOの宮澤、副CTOの後藤はこれまで最前線で炉設計研究に取り組んできました。
さらに、国立研究所出身の核融合炉の安全設計のプロフェッショナルや、ビジネス面でも金融・エネルギー事業開発など豊富な経験を持つメンバーなど、世界初の核融合炉実現を確実に進められるコア人材が揃っています。
フュージョンエネルギー産業の最上流とも言える炉設計に強みを持ち、技術でもビジネスでも世界に勝てるチームです。
<概要>
・事業内容:商用核融合炉および関連技術の開発
・設立: 2021年10月
・Webサイト: https://www.helicalfusion.com
・Youtube:https://www.youtube.com/@HelicalFusion
<本件に関するお問合せ>
・担当:株式会社Helical Fusion 広報担当
・連絡先:contact@helicalfusion.com
<株式会社Helical Fusionのプレスリリース一覧 >
https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/89262
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