東西冷戦下の1960年代に分裂した原水爆禁止日本国民会議(原水禁)と原水爆禁止日本協議会(原水協)は23日、被爆80年に際し共同アピールを発表した。昨年ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)との連名。「核兵器廃絶を実現するため、ヒロシマ・ナガサキの実相を受け継ぎ、広げる国民的な取り組みを訴える」と強調した。
3団体が東京都内で記者会見して発表した。原水禁と原水協の共同アピールは異例。「日本の運動の役割は大きくなっている。立場の違いを超えて、核兵器の非人道性を日本と世界で訴えていくことが重要だ」とした。
被団協の田中熙巳代表委員(93)は「二つの団体が、被爆80年の今年に力を合わせるのは感慨深い。運動を世界に広げるきっかけになる」と期待した。
原水禁の谷雅志事務局長(45)は「今回のアピールが各地の運動の追い風になれば」と語った。原水爆禁止世界大会の統一開催など今後の連携について、原水協の安井正和事務局長(70)は「いろいろなところで共闘がつくられる中で前進していきたい」と述べた。