日航本社で講演する美谷島邦子さん=23日午後、東京都品川区

 520人が犠牲となった1985年の日航ジャンボ機墜落事故から8月で40年となるのを前に、次男の健さん=当時(9)=を亡くした美谷島邦子さん(78)が23日、東京都品川区の日航本社で講演し、社員約200人に「安全はみんなでつくり、積み上げていくもので、一人一人が意識を高めることが大切だ」と訴えた。

 講演では、悲しみと向き合いながら事故の風化や再発を防ぐために続けてきた40年間の活動を振り返った。「安全は過去の事故の被害者や遺族の思いの積み重ねの上に成り立っており、思いを無駄にしないで」と力を込めた。

 日航によると、2005年以降、社員の安全意識向上を目的とした研修を毎年開いている。