学校法人札幌大谷学園(種市政己理事長、札幌市)で2022年、本来資格のない種市氏を理事長とした理事会決議には重大な瑕疵があるとして、23年に理事を追われた男性2人が決議の無効確認を求めた訴訟で、札幌地裁は28日、請求通り理事長の選任決議を無効とする判決を言い渡した。

 地裁は、定款に当たる「寄付行為」や学園の「施行細則」を改廃した理事会決議も無効と認定。真宗大谷派(京都市下京区)北海道教区からの派遣理事だった原告らについて、現在も理事の地位にあると確認した。

 判決を受け、学園は「内容を精査し対応を検討する」。原告側の立場で補助参加した同派は「宗派との関係を断ち切るかのような意思決定が相次いだ。判決は学園が本来の理念と信頼に立ち返ることへの願いにかなうものだ」と、それぞれコメントを出した。

 判決理由で吉川昌寛裁判長は、種市氏は施行細則で理事長の要件とされる同派の教師資格を持っておらず、その場合に必要だった北海道教区の委員会との協議もしていなかったとして「選任決議は細則違反だ」と指摘した。