石川県珠洲市の景勝地として知られ、その形から「軍艦島」とも呼ばれる見附島で、枯れ木が目立つようになった。昨年の能登半島地震で一部が大きく崩れ、住民に衝撃を与えたが、さらに追い打ちをかけるような現象に「寂しい」との声が上がる。市は「原因の特定は難しく、今は見守るしかない」としている。
見附島は海岸のそばにそびえ立つ、高さ30メートル近い奇岩。地震前は、頂上に草木が生い茂っていた。地震直後の昨年1月に上空から撮影した際は木々に緑が見られたが、今年6月時点では枯れて白っぽい枝が目立っていた。
近所の80代男性は「木が枯れるのはこれまで見たことがない。珠洲のシンボルがこんなことになってしまって悲しい」と声を落とす。
島の所有者で、住吉神社=珠洲市=の神主橘重克さん(53)は「カラスやサギのふんが影響しているのではないか。寂しいが、これからのことは自然の力に任せるしかない」と話した。