情報の真偽を判定する総合システム

 富士通や国立情報学研究所など9組織が、インターネット上の情報の真偽を分析して根拠の収集や判定までを総合的に行うプラットフォームの開発を共同で進めている。生成人工知能(AI)を活用して、災害や選挙などで拡散する偽情報を見破る。

 「能登半島地震直後に外国人窃盗団がマイクロバスで現地に向かっていた」。5月下旬、川崎市の富士通本社で、山本大シニアプロジェクトディレクターがパソコンでシステムに文章を入力すると、数秒後に「False(間違い)」と表示された。続いて判定した理由について「内容を否定する主張が見つかりました」として新聞社の記事が提示された。その記事のサイトの信頼度は「High(高い)」と出た。

 偽情報対策に特化した大規模言語モデル(LLM)によって情報の根拠を分析して判定し、正誤や信頼度を段階的に示す。AIで本物そっくりに作った偽画像などの「ディープフェイク」も、人には分からない不自然な特徴を見抜く。

 ネット上のデマは深刻化しており、3月のミャンマー大地震では建物が倒壊する偽動画が拡散した。