キヤノンが宇都宮光学機器事業所の敷地内に建設した半導体製造装置を生産する新棟=30日午後、宇都宮市

 キヤノンは宇都宮光学機器事業所の敷地内に、半導体製造装置を生産する新棟を建設した。30日に完成式典が同所で開かれ、御手洗冨士夫会長は「半導体分野は今後の成長をけん引する。経営戦略の大転換を象徴する」と語った。9月に操業を始め、2027年中のフル稼働で生産体制を増強する。

 同社は宇都宮市と茨城県阿見町で、半導体の基板となるシリコンウエハーに、レンズを通して光で電子回路を焼き付ける露光装置を製造。新棟では露光装置の組み立てとレンズの生産を行う。

 生成AIに使う半導体の需要増が追い風となり、24年の露光装置の販売台数は233台で世界2位。