日銀は31日の金融政策決定会合で政策金利を0・5%程度で維持することを決めた。金利据え置きは4会合連続。植田和男総裁は記者会見で「経済や物価情勢の改善に応じて引き続き政策金利を引き上げる」と述べ、これまでの利上げ方針を堅持する考えを示した。今後の利上げ時期を慎重に探る。日米関税交渉の合意は「大きな前進だ」と評価した。コメ価格の上昇を受け物価見通しは引き上げた。
日銀が春闘で高水準の賃上げが見込めるとして、1月に政策金利を0・25%から0・5%に引き上げてから半年が経過した。生鮮食品を除く消費者物価の上昇率は昨年12月から3%台の水準で推移しており、日米関税交渉も決着したことから、市場では日銀が年内にも再び利上げに踏み切るとの観測が出ている。
植田氏は追加利上げについて、日銀の2%の物価上昇目標に向け「見通しに自信が持てるかどうかがポイントだ」と強調した。利上げのタイミングは今後、毎回の会合で「適切に判断していく」と述べるにとどめた。