バスタ新宿から長距離バスに乗り込む人たち=2020年、東京都渋谷区

 国土交通省は高速バスの運行ルールを見直し、出発時点で既に満員の場合は途中の停留所に立ち寄らず、目的地に直行できるようにする。空港と市街地を結ぶ連絡バスなどを念頭に、後続便の増発を条件に“近道”を認め、所要時間の短縮につなげる。今月下旬以降に関連通達を改正する。

 高速バスは事業者が乗車と降車の各専用停留所を設けているケースが多い。定員があり、途中で満員になると乗車できないが、現行ルールでは、満員の場合もあらかじめ決めた道順で途中の乗車停留所を経由する必要がある。

 新ルールでは、始発の停留所などで満員になった便は、途中の乗車停留所を通らず、降車停留所まで直行できるようにする。国交省の担当者は「時間の短縮や運行の効率化が期待できる」と説明している。

 途中の停留所で待っている利用客のため、別便を追加運行することが条件。運転手個人ではなく運行管理者の指示に基づき直行することや、インターネットなどを通じて経路変更を客に知らせる仕組みを設けることも、事業者に求める。