取材に応じるウクライナの国家汚職対策局のリセンコ副局長=1日、キーウ(共同)

 【キーウ共同】ウクライナで重大汚職捜査を担う国家汚職対策局(NABU)のリセンコ副局長が3日までに共同通信の単独インタビューに応じた。7月下旬の法改正でNABUの権限が一時弱体化されたことに触れ、国会に当たる最高会議の議員らを訴追したことへの政治的報復との見方を示した。リセンコ氏によると、NABU創設から約10年で現職議員と元議員約70人を訴追した。

 法改正後、欧州の支援国から批判が相次ぎ、ウクライナ各地で抗議デモが拡大した。これを受け、ゼレンスキー大統領が権限を回復する新法案を議会に提出、7月31日に成立した。リセンコ氏は「最初の法改正から新法の成立までの10日間は国の運命を左右する重要な期間だった。国民の声が政権を動かし、正義が勝利した」と語った。

 リセンコ氏はロシアの侵攻が続く中での汚職捜査について「控えるべきだという声もあるが、戦時下だからこそ清廉な政治が求められる。うみは徹底的に排除しなければならない」と強調した。