【ベルリン共同】ドイツのメルツ首相率いる連立政権の発足から6日で3カ月となる。就任翌日にフランスを訪問してマクロン大統領と会談するなど迅速な動きで「外交宰相」と地元メディアに持ち上げられるが、ロシアのウクライナ侵攻やパレスチナ自治区ガザ情勢の対応に苦慮。メルケル氏の時代にドイツ首相が取った異名「欧州の盟主」の復活は道半ばだ。
メルツ氏は6月、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を控えた連邦議会(下院)での演説で、政権の指導力を強調。トランプ米大統領と緊密に連絡を取り合っていることもアピールした。
だがトランプ氏との連携は思うようには進んでいない。メルツ政権は7月、ロシアのミサイルや無人機の攻撃が続くウクライナのため、米国から防空システム「パトリオット」を購入してウクライナに提供する構想をトランプ政権に提案した。
交渉は難航。ドイツが保有する2基を先行して供与する方針に転じた。米国が約束したパトリオット早期補充の見通しは不透明で、ドイツの防空が手薄になるとの懸念が強まる。