【ワシントン共同】米首都ワシントン中心部に12日、トランプ大統領が犯罪対策強化のため動員を決めた州兵が投入された。米メディアによると、武器は携行せず捜査員らの後方支援に当たる。米政権によると、地元警察を連邦政府の指揮下に置いた初日の11日夜は、殺人や銃関連の容疑などで23人を逮捕した。約850人の捜査員らが巡回したという。

 米メディアによると12日、首都中心部のワシントン記念塔近くには軍用車両と迷彩服姿の州兵らが並んだ。11日夜には連邦捜査局(FBI)や移民・税関捜査局(ICE)の捜査員が市街地を巡回する姿が目撃された。

 ワシントンは野党民主党の地盤。トランプ氏は街頭犯罪が多発しているとして民主党の市政運営を批判しており、連邦政府の指揮下で犯罪を厳しく取り締まる姿勢を示すことで、求心力向上を図る狙いがあるとみられる。民主党は「地方自治をないがしろにしている」などと反発している。

 米大統領は30日間、ワシントンの警察を連邦政府の指揮下に編入することが認められている。