プラスチック条約の政府間交渉委員会が開かれている国連施設前に設置されたオブジェ=13日、ジュネーブ(共同)

 【ジュネーブ共同】プラスチックによる環境汚染防止に向けた国際条約作りの政府間交渉委員会で13日、ルイス・バジャス議長(エクアドル)がこれまでの議論を基にした条文の新たな議長案を示した。9日に公表した旧案にあった、プラスチックの生産規制に直接言及した条文を削除。特に強い反対のあった項目を後退させ、合意へ前進を図ったとみられる。

 一方、強い規制を求めてきた国々の反発も予想される。議長は各国に対し「個別の条文にこだわるのではなく、さまざまな立場を結びつけ、相互理解に至るための全体的な枠組みと考えてほしい」と促した。これを基に議論をさらに重ね、閉幕予定の14日に向け、最終的な合意文書をまとめる方針。議長は各国の協調を求めた。

 5日に始まった交渉は各国が折り合える着地点の模索が続いている。韓国・釜山で行われた前回の会合終盤では、交渉を加速させる狙いで議長案が示されたが、合意には至らなかった。

 9日に公表した旧条文案は32項目あり、意見の違いを示すかっこ書きや選択肢は千カ所以上あった。