全国戦没者追悼式が開かれる日本武道館=14日午前、東京都千代田区(共同通信社ヘリから)

 数多くの命が失われた先の大戦の終戦から15日で80年。政府主催の全国戦没者追悼式が東京都千代田区の日本武道館で開かれ、天皇、皇后両陛下、石破茂首相、戦没者遺族が参列し、犠牲者約310万人を悼む。厚生労働省によると、参列予定の遺族は約3400人で、うち戦後生まれが約1800人と初めて半数を超える見込み。戦争の惨禍を直接知る世代の減少が進んでいる。

 石破首相は就任後初めて出席し式辞を述べる。式辞内容を巡っては、安倍晋三元首相が2013年以降、アジア諸国への加害と反省に言及せず、その後の首相も踏襲してきた。石破首相は今年、閣議決定による戦後80年談話を出すのを見送るが、先の大戦の検証などを巡る見解の表明には前向きな姿勢を示している。

 式の追悼対象は、戦死した軍人・軍属約230万人と、空襲や広島、長崎の原爆投下、沖縄戦などで亡くなった民間人約80万人。午前11時50分ごろに開式し、首相の式辞後、正午の時報に合わせて黙とう。天皇陛下のお言葉に続き、遺族代表が追悼の辞を述べ、参列者の献花が行われる。