配管の放射線量調査で用いる線量計。大型クレーンでつり下げて、正面部分を配管に近づける(東京電力提供)

 東京電力は、福島第1原発1、2号機の間にあり、高濃度に汚染されたまま残っている配管の撤去に向け、放射線量の測定を始めた。遠隔操作で配管表面などを調べ工法検討に役立てる。既に一部は取り払ったが、その際は相次ぐ装置トラブルで予定より1年以上遅れた。東電は本年度末までに残り全てを撤去する計画だが、2年程度遅れる可能性があるという。

 配管は2011年3月の事故発生時、原子炉格納容器内の圧力を下げて損傷を防ぐために放射性物質を含む気体を放出する「ベント」で使われた。直径約30〜35センチの金属製で、非常用ガス処理系(SGTS)配管と呼ばれる。1、2号機の原子炉建屋それぞれから共用排気筒の根元を結び、元の長さは各約100メートル。1号機から使用済み核燃料を取り出すため、建屋を覆う大型カバー設置の妨げになる部分を23年7月までに取り除いた。今は1号機分が約23メートル、2号機分が約53メートル残る。

 測定は7月29日に着手した。線量計を備えた装置を大型クレーンでつり下げる。