明治安田生命保険の営業職員による住民への情報提供のイメージ

 採用難や若手職員の離職で人手不足に悩む地方自治体の情報提供や安否確認といった業務を、民間企業が代行する動きが進んでいる。自治体にとっては住民のサービスの向上につなげられる一方、企業側は自治体から利用料が得られるほか、住民との接触を拡充できる利点がある。

 明治安田生命保険は全国に約千カ所ある拠点網を生かし、行政情報を住民に広く知らせている。営業職員が住民を訪問した際に、健康診断や子育て教室などをタブレット端末で説明する。

 明治安田生命の金沢善明地域リレーション推進部長は「行政サービスを利用して住民に健康になってもらえれば保険金の支払いが減る」と狙いを語る。

 2022年から始め、現在は約690自治体で展開する。さいたま市もその一つで、担当者は「われわれだけでは手が回らない中、直接市民に情報を届けられて助かっている」と話す。

 自治体と連携し、高齢者の見守りサービスを手がけるのは日本郵便だ。音声で操作ができる画面付きスピーカーを高齢者の自宅に設置し、家族や自治体職員が遠隔で安否を確認できるようにした。