サイバー攻撃に先手を打って被害を防ぐ「能動的サイバー防御」導入に向け、内閣官房が2026年度予算概算要求に123億円超を計上することが分かった。政府機関へのサイバー攻撃の監視機能強化や防御力構築に向けた国際連携の経費に充てる。運用を監督する第三者機関の来春設置に関する必要経費は金額を示さない「事項要求」として盛り込む。能動的サイバー防御の27年全面導入に向け、体制整備を本格化させる。関係者が25日、明らかにした。
政府は、常時から(1)日本を経由する外国間(2)外国から国内(3)国内から外国―の3種類の通信情報を分析・監視する方針で、サイバー攻撃の検知システムを構築する。政府機関のサイバー防御体制に関し、脆弱性がないかリスクを検出できる仕組みを新たに導入する。先行して能動的サイバー防御を導入している米英両国やオーストラリア、ドイツなどとの連携強化にも予算を充てる。
123億円に加え、研究開発費として10億円程度も要求する予定だ。