自宅や知人宅で80代の母親の頭を複数回殴るなどしたとして、暴行罪に問われた男性被告(60)に名古屋地裁は28日、公判での母親の供述について「信用性を肯定することは困難」だとして、無罪の判決を言い渡した。検察側は起訴された昨年5月13日と31日の暴行事件でそれぞれ懲役6月を求刑。弁護側は虚偽告訴だとして無罪を主張していた。

 岩田澄江裁判官は判決理由で、母親の供述は防犯カメラ画像と整合しない点があり、暴行の核心部分について供述は一貫性がなく誇張の疑いもあると指摘。「暴行を加えたと認定するには合理的な疑いが残る」と結論づけた。