石川県の能登半島を走る国道249号が2029年春までに本格復旧する見通しとなった。昨年、能登半島地震に続き豪雨で被災。道路を管理する県の要請を受け国土交通省が工事を代行している。用地取得などが順調に進むことを前提に、工事が完了するめどが立ったという。政府関係者が1日明らかにした。

 工事が進んでいるのは、半島北部の石川県輪島市門前町―珠洲市(53キロ)。地震で隆起した海岸部分を活用して新たに2車線を確保したり、トンネルを新設したりといった工事で、支障なく走れる状態にするよう急いでいる。

 国道249号は、隆起部分に仮設の迂回路を造成するなどしておおむね通行できるようになったが、大型車が片側交互通行をせざるを得ない箇所が残っている。悪天候時には通行止めとなるケースもある。

 政府は2日、復興全般に充てる経費として500億円規模の予備費支出を決める方針だ。道路復旧のほか、公費解体による廃棄物処理、港湾や海岸の工事などにも活用する。