【ニューヨーク共同】米連邦地裁は2日、米IT大手グーグルの反トラスト法(独禁法)違反を巡る裁判で、米司法省が要求していたインターネット閲覧ソフト「クローム」の売却を求めない判断を下した。グーグルはクロームと検索を組み合わせ広告事業を展開し膨大な収益を上げてきた。司法省が上訴する可能性もあるが、事業分割を当面回避したことで、収益の大幅悪化は免れることになる。
調査会社によると、クロームは日本や世界でパソコン閲覧ソフトの6割超のシェアを占める。司法省は2020年に独禁法違反で提訴。地裁は昨年8月に違反を認定する判決を出した。判決を受け司法省は市場の支配を是正するため、クロームやスマートフォンの基本ソフト(OS)アンドロイドの売却を要求した。今回の地裁判断はいずれの売却も「行き過ぎだ」と退けた。
一方で、米アップルに多額の資金を支払ってiPhone(アイフォーン)にグーグルの検索を標準搭載する契約が競争を阻害したと問題視。市場を開放して競合の参入を促すため、こうした契約の禁止を義務付けた。