愛宕山での小屋造りに取り組む参加者=美濃市
屋外で昼食を取る親子ら=美濃市相生町

 自宅でも学校でも職場でもない、自分にとって居心地の良い場所を指す「サードプレイス(第三の場所)」が近年、注目を集めている。岐阜県美濃市を中心とした母親らでつくる「森のかっこう」は、「サードプレイス」を意識した、子どもたちにとって安心して過ごせる場所をつくろうと模索を続けている。これまでも野外活動に取り組んできたが、昨秋からは新たに同市の市街地にある小高い山「愛宕山」を拠点に小屋造りをスタート。この場所が「新たな選択肢」になればと話す。

 「森のかっこう」は昨年1月、不登校の子を持つ保護者ら5人で立ち上げた。代表の星野茜さん(38)=同市上条=も以前、長女が不登校だった。「周囲と違うという焦りや不安、怖さがあったが、同じ立場の母親とつながり、不登校について話せたことで、とても救われた」と振り返る。悩みや思いを共有する中で、大人も子どもも話し合いを続けながら、自分たち自身で居心地の良い場所をつくっていきたいと、グループを立ち上げた。

 「自然の中だと体も心も緩む」と星野さん。昨年は同市の誕生山や松鞍山に登ったり、子どもたちで活動の計画を立てるキャンプをしたりと、子どもたちの主体性を重視した野外活動を続けてきた。

 そんな中、愛宕山を拠点とした教育活動に取り組む堂内裕治さん=同市=とつながった。堂内さんも森のかっこうの活動に賛同。昨年10月に長期の活動として小屋造りを始めた。月2回のペースで開催しているが、何かを強制したり、大人が全員で同じ活動をするよう呼び掛けたりすることはない。小屋造りもやりたい人が関わる。

 3月の活動日も、小屋造りに参加する子もいれば、秘密基地づくりに夢中な子、気ままに山を散策する子、山には行かず、おしゃべりを楽しむ子もいた。本を読み合う姿や、鬼ごっこをする子も。それぞれが思うままに過ごした。ここでは母親自身も楽しんでいる。作業をしながら、子育てや近況を語り合い、生き生きと過ごしていた。

 小学3年の息子と参加した笠松町の30代の女性は「何をやってもやらなくてもいい雰囲気はありがたい。同じ境遇の母親の話を聞いて自分自身の考え方も大きく変わった」と話した。

 星野さんは「かっこうには、普段学校に行っている子も行っていない子も来ている。それぞれが自由で安心して、楽しく過ごせる場にしていけたら」と話す。大人だけの参加もできる。