2022年10月9日、不破郡関ケ原町で「全国将棋サミット2022」が開催されました。各自治体による将棋事業の取り組み紹介やトークショーがあり、最後に糸谷哲郎八段と息子の高田明浩四段(当時)による記念公開対局が行われました。
私たち夫婦は、会場に入る前に、すぐ隣にある岐阜関ケ原古戦場記念館を見学しました。関ケ原の戦いの発端から終結までを、地図を交えて分かりやすく説明した展示室のほか、関ケ原の戦いを再現したシアターや、武器や陣羽織などの戦国体験コーナーもあり、楽しい施設でした。歴史の勉強にもなるため生徒にも勧めていますが、「とても楽しかった」と、何度も足を運んでいる子も多いです。
その後、会場へ行きました。全国各地の自治体で、将棋に関するさまざまな取り組みが行われていることを知り、トークショーを楽しんだ後、記念公開対局が始まりました。
糸谷八段は森一門の兄弟子で、「糸谷流右玉」と呼ばれる戦法を編み出した、息子が小学生の頃から憧れていた棋士です。息子は、小中学生の頃、糸谷八段の棋譜をよく並べ、「糸谷流右玉」もよく指していました。
高校生になると、息子は、糸谷八段に声をかけられ、関西将棋会館の棋士室で行われている一門研究会のメンバーになりました。そのとき息子がとても喜んでいたことは、今も記憶に残っています。
その研究会は、糸谷八段の主催で、同門の兄弟子2人と息子が参加し、朝から夕方まで行われていました。お昼ご飯は毎回、糸谷八段がみんなにごちそうしてくれたそうです。
息子はそれまで、奨励会員がメインの研究会に参加していたため、プロのレベルの高さに驚いていましたが、特に、「糸谷先生はどんな戦型で指しても格別に強い」とよく話していました。
また、糸谷八段は気配りのできる方で、棋士室によく高級なお菓子の差し入れをしていたそうです。息子はそんな姿を見て、自分もできることをしようと、箱ティッシュや飲料水、簡単なお菓子などを、棋士室に頻繁に差し入れするようになりました。
息子が子どもの頃から憧れていた棋士との公開対局が岐阜で行われ、息子を応援してくれている皆さまと共に観戦できたことは、本当にありがたいことだったと思います。
終了後は、岐阜関ケ原古戦場記念館初のプロジェクションマッピングで、壮大な歴史絵巻を見ました。たくさんの方が来ていたイベントでしたが、息子の対局を見に来てくれた生徒とも偶然会うことができ、楽しく話して帰途に就きました。
(「文聞分」主宰・高田浩史)








