2022年9月10日、息子の明浩は、大阪府高槻市へ引っ越しました。私も引っ越しの手伝いに行きました。JR高槻駅周辺は、百貨店や大型スーパー、映画館などの商業施設が立ち並び、病院も多く、生活にとても便利なところでした。
少し歩くと、落ち着いた雰囲気の上宮天満宮や、高槻市が誇る安満遺跡公園があります。関西将棋会館が移転した現在では、安満遺跡公園で将棋イベントもよく行われているそうです。
引っ越し当日は、三段リーグの最終日でした。奨励会の先輩で、当時、岐阜将棋クラブなどで頻繁にVS(1対1の練習対局)や研究会をしていた齊藤裕也さんがプロ入りを決め、息子は自分のことのように喜んでいました。先輩の昇段を心から喜ぶ姿を見て、私もうれしくなりました。
齊藤さんは、昇段当日のインタビューで息子の名前を挙げ、「高田四段が大阪や名古屋で研究会をたくさん開いて誘ってくれて、高田四段のおかげで昇段できた」と答えていました。息子は本当にうれしそうでした。
引っ越し先では、その日のうちに新聞購読の手続きをしました。息子は小学生のときから、毎日、2紙を読んでいたので、新聞を購読するのも自然な流れでした。販売店から当日の新聞をもらうと、早速、将棋の棋譜欄をスクラップしていました。
最近の子育て世帯は、新聞を購読していない家庭が多いですが、新聞を毎日読む子ほど学力が高いことは、さまざまな調査からも明らかになっています。新聞を読むことで語彙(ごい)力や読解力が向上し、授業内容や教科書の理解が容易になるからだと思います。
引っ越し後、息子は、自炊を始めました。元々、食器洗いや風呂洗い、ごみ出しなど、お手伝いをよくしてくれる子でしたが、自炊を始めたのは正直意外でした。
最初は、ぶり大根やカレー、野菜たっぷりのパスタなどをよく作っていたようです。料理の仕方や食品の保存方法について、LINEで尋ねてくることもありました。しばらくすると、ネットで調べてさまざまな料理を作れるようになっていたので驚きました。
今は、ネットで「親子丼」などと入力すると、レシピがすぐ分かる時代です。料理の名前が分からない場合でも、野菜などの食材を入力すると、おすすめのレシピが出てきます。
紙の新聞には、よく見る分野の記事ばかり出てくるネットと違い、さまざまな分野の記事が目に入る良さがあります。ネットのレシピには、すぐ検索できるという良さがあります。
現代は、紙の良さ、ネットの良さ、それぞれの良さを目的に合わせて使い分ければ、仕事や家事がはかどる良い時代になったと感じています。
(「文聞分」主宰・高田浩史)