自動車の自動運転の実現に向けた取り組みが各地で進められています。岐阜県内でも、自動運転バスの実証運行が複数進められています。そのうちの一つ、下呂市で行われた実証運行のバスに、元岐阜新聞下呂支局長の筆者が乗ってきました。舞台は多くの観光客でにぎわう温泉街。より高度な自動運転の実現には、まだハードルが高いと感じました。

下呂温泉街を走る自動運転バス=下呂市湯之島

■広域連携での実証実験

 岐阜県の東濃5市(多治見、中津川、瑞浪、恵那、土岐)と下呂市は「東濃地域自動運転推進コンソーシアム」を構成。6市が広域連携により実証運行を行っています。

 このうち下呂市は、10月18日から11月1日にかけてJR下呂駅から県立下呂温泉病院の間の2.3キロほどのルートで実証運行を行いました。運転の一部を自動化し、必要に応じて乗務員が操作するレベル2での運行です。

 このルートは、日本三名泉の一つ、下呂温泉を通り、山の中腹にある病院を結びます。途中は急な坂道。一方通行の区間もあり、狭い道に歩行者も多く通るエリアとなります。

 観光と通院の需要が見込めるルートですが、そもそも...