岐阜県が検討を進める新たな交通システム。その有力候補が「LRT(次世代型路面電車)」です。LRTの車両は、駅停車中にバッテリーへ急速充電する架線レスが想定されていることが明らかになっています。この方式をLRTで本格導入しているのは、台湾で実例があります。日本国内では、LRT・路面電車ではなく一般の鉄道で実用化されています。そのうちの一つは、LRTが走る宇都宮付近を走っています。宇都宮のLRTと合わせて、乗ってきました。(岐阜新聞デジタル独自記事です)
架線レス車両の想定は、7月にLRTの構想が浮上してほどなく、岐阜県の江崎禎英知事が岐阜新聞デジタルの取材に対して明らかにしました。
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■烏山線の実例
国内を走る架線レス車両の一つが、JR東日本のEV-E301系。2014年3月に栃木県の烏山(からすやま)線と宇都宮線(東北線)で運行を始めました。

烏山線は、宇都宮線宇都宮駅から2駅北の宝積寺駅で分岐して、烏山駅(栃木県那須烏山市)に至る20.4キロの非電化ローカル線。宇都宮駅からの直通列車も走っています。
電化区間と直通運転することや、バッテリーの容量と路線の長さが合っていることから、烏山線にバッテリー方式の車両が導入されました。
EV-E301系は2両編成。電化区間の宇都宮線内では、架線から電力を取り込むパンタグラフを上げ、通常の電車と同様に11キロほどの区間を走行。非電化の烏山線内ではパンタグラフを折りたたんで、バッテリーの電力で走ります。充電は、宇都宮線内走行中や宝積寺駅停車中のほか、終点の烏山駅に設けられた充電装置で、折り返し待ちの間に行います。
鉄道趣味団体「鉄道友の会」が優れた車両を選ぶ「ブルーリボン賞」を2015年に受賞しています。

■乗ってみれば「普通の電車」
宇都宮駅から十数分。宝積寺駅に到着しました。乗る...