軽妙なエッセーやテレビのバラエティー番組でも人気を集めた作家の嵐山光三郎(あらしやま・こうざぶろう)さんが14日午後、肺炎のため死去したことが28日、分かった。83歳。静岡県出身。葬儀は近親者で行った。
国学院大を卒業後、平凡社に入社。雑誌「太陽」編集長などを務めた。独立後に雑誌「ドリブ」やテレビの人気バラエティー番組「笑っていいとも!増刊号」編集長を務め、1980年代の若者文化の担い手となった。
「たのC(シー)のでR(アール)」といった「ABC文体」を駆使したエッセー、インスタントラーメンの評論なども手がけ、料理や温泉などにも健筆を振るった。「素人庖丁記」で講談社エッセイ賞を受賞した。
「文人悪食」「文人暴食」では作家や歌人、学者らの食欲と創作欲の関わりに注目。松尾芭蕉の人間くさい側面に迫った「悪党芭蕉」では泉鏡花文学賞と読売文学賞を受けた。
92年には日本人のコメ離れに歯止めをかけようと「日本ごはん党」を結成したことでも話題に。旅や釣りの愛好家としても知られた。







