昨年来の原油高や原材料高に加え、円安が原油や食料などの輸入価格を一段と押し上げ、岐阜県内でも幅広い企業に影響が及んでいる。20日の東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=129円台前半を付けた。止まらない円安に、企業関係者からはため息や警戒する声が聞かれた。

 プラスチック製の日用品や食品包装容器を製造する岐阜プラスチック工業(岐阜市)は、輸入に頼る原材料、原油価格の高騰が利益を圧迫。生産効率を高める従来からの対策を徹底しているが、大松利幸会長は「さらなる価格転嫁をお願いする可能性もある。肌感覚では、前年対比で1・5倍から2倍近くの原材料高を織り込む必要がありそうだ」と警戒感を強めた。

 業務用珍味、和食材卸のジーエフシーは、輸入商社や食品メーカーとの取引価格が上昇。原材料の魚のすり身や小麦粉の価格は、1~4月に5~10%値上がりした。担当者は「円安やウクライナ侵攻による値上げは、秋口から始まるだろう。既に値上げを予告している取引先もいる」と危機感を募らせた。

 関市の食品製造会社は輸入業者からの植物油脂の仕入れ値が、1年間で25~50%上がった。小麦の高騰も重なり、今月から価格改定に踏み切った。

 100円ショップのセリアは国内製造元と日本円での取引が売り上げの9割超を占め、足元では影響が出ていないが、キッチン用品など金属を使う一部の商材は輸入に頼るため、為替の動向を注視する。

 十六総合研究所の永井則夫主席研究員は「原材料や仕入れ価格の高騰に苦しんできた幅広い業種が、円安でさらに影響を受け、ますます経営が圧迫される。家計にとっても身近な生活基盤を支える物の値段がさらに上昇し、個人消費をさらに下押しする懸念がある」と語った。