ひだ舟山スノーリゾートアルコピアで滑りを楽しむ来場者。来シーズン限りでの廃止方針が示された=2020年12月26日、高山市久々野町無数河

 岐阜県高山市は20日、市営スキー場のひだ舟山スノーリゾートアルコピア(久々野町無数河)を来季限りで廃止する方針を明らかにした。スキー人口の減少や経営環境の悪化などから、2020年にアルコピアと市営スキー場のモンデウス飛騨位山スノーパーク(一之宮町)のいずれかを廃止することを決めていた。アルコピアの方が相対的にゲレンデなどが狭く、施設が古いため廃止とした。市議会産業建設委員会で報告した。

 両スキー場の来場者は、ピーク時から年々減少傾向にあり、最も多かった1995年度の延べ人数はモンデウスが12万8千人、アルコピアが20万8千人。しかし近年は、スキー人口減少のほか、雪不足による営業期間短縮や新型コロナウイルスの感染拡大など厳しい経営環境が続き、20年度にはそれぞれ2万3千人、1万6千人まで減った。その結果、各施設の20年度の赤字は3161万円、3004万円で、赤字は市が補塡(ほてん)してきた。

 市は存続するスキー場の機能を初・中級のスキーヤーを対象に「家族のふれあいや健康づくりにつながる市民スポーツの場」と位置付け、両スキー場のある久々野、一之宮地域での説明会やスキー場利用者へのアンケートを行ってきた。

 アルコピアの廃止理由としては、モンデウスの方が敷地やゲレンデ面積が広く、全てが市有地であることや、耐用年数が24年残るセンターハウス機能が中長期的に使用が可能であることなどを挙げた。市は「それぞれ地域からの愛着は深く、大きな差異を認められなかったが、コンセプトへの合致や効率性、将来負担経費の視点から選定した」と説明した。

 市は同日、アルコピアの地元久々野町で説明会を開いた。「なぜ経営のプロなど第三者の目を入れなかったのか」「廃止の理由が抽象的すぎる」などといった声が相次いだ。説明会後、スキーに打ち込んできたという男性(65)は「覚悟はしていたが、やっぱり寂しい。市が示した資料はデータが乏しく、納得できなかった」と話した。

 高山市営では、原山市民スキー場(新宮町)が07年度を最後に営業をやめた。現在はアルコピアとモンデウスのほか、乗鞍高原飛騨高山スキー場(岩井町)がある。