小型人工衛星のミッションの案を出し合う高校生ら=23日午前、岐阜市柳戸、岐阜大
打ち上げを目指すものと同じ型の小型人工衛星=23日午前、岐阜市柳戸、岐阜大

 岐阜県内の工業高校4校などの合同研究チームによる小型人工衛星を打ち上げるプロジェクトが23日、始動した。宇宙から岐阜県の高解像度写真を撮影する構想で、2024年末ごろの打ち上げを目指す。プロジェクト事務局によると、高校生による小型衛星の打ち上げが成功すれば、全国で初めて。県、岐阜大、川崎重工業など航空宇宙分野の企業5社も参画し、宇宙関連産業の振興や人材育成を図る。

 プロジェクト名は、県と岐阜大、各工業高校による「ぎふハイスクールサット(GHS)プロジェクト」。1辺10センチの立方体を2個重ねた小型人工衛星を打ち上げる。衛星の構造などは岐阜工(羽島郡笠松町)、電力関係は大垣工(大垣市)、無線通信は岐南工(岐阜市)、制御は可児工(可児市)がそれぞれ担当する。打ち上げは、国産ロケットを筆頭に検討し、米国の民間宇宙関連企業も候補に今後、詰める。

 本年度内に試作機を作り、振動や熱など宇宙環境を想定した動作試験を行う。24年12月までに打ち上げて国際宇宙ステーション(ISS)へ届け、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の実験棟「きぼう」から宇宙空間に放出、運用を始める。

 23日は岐阜大でGHSのキックオフイベントを行い、高校生約20人や関係者が計画スタートを祝った。GHSの立ち上げに関わった岐南工の各務友浩校長は「打ち上げまでさまざまなヤマ場があるが、岐阜県の工業高校の技術力を結集して成功を喜びたい」と言葉に力を込めた。

 小惑星探査機「はやぶさ2」のプロジェクトマネージャーを務めたJAXA宇宙科学研究所の津田雄一教授がオンラインで講演し、高校生たちに「仲間を大切に、遊び心を忘れないで」とエールを送った。