一礼して釧路地裁に入る桂田精一被告=17日午前9時28分

 北海道・知床半島沖で2022年、観光船「KAZU 1(カズワン)」が沈没し乗客乗員計26人全員が死亡、行方不明となった事故で、業務上過失致死罪に問われた運航会社社長桂田精一被告(62)に、釧路地裁は17日、求刑通り禁錮5年の実刑判決を言い渡した。事故時に乗船していなかった被告が事故を予見できたかどうかが主な争点だった。

 水越壮夫裁判長は判決理由で、事故当日は天候の悪化が予報されていたことを挙げ、桂田被告が「安全な運航に支障を来すことが予見できた」と指摘。出航を中止せず、漫然と航行させた過失により、船を沈没させたとした。

 昨年11月に始まった公判で検察側は、荒天予報の中で出航させるなど重大な注意義務違反があったと主張。弁護側は、沈没につながるハッチのふたの不具合を被告が知らされていなかったなどとして無罪を訴えていた。

 事故は22年4月23日に発生。起訴状によると、悪天候が予想され、安全統括管理者・運航管理者として危険を未然に防ぐ注意義務を怠り、行方不明6人も含め乗客24人と乗員2人を死亡させたとしている。