
何らかの事情で保護者の養育を受けられない子どもたちが生活する児童養護施設での仕事も、福祉の仕事に数えられます。
施設で子どもたちの成長を見守っているのがケアワーカーです。児童養護施設では、生い立ちや課題などがそれぞれ異なる幼児期から18歳までの子どもが共同生活をしています。一時保護で短期間過ごす子どもから年単位で過ごす子まで期間はさまざまで、ケアワーカーは、個性や特性を大切にしながら、食事や入浴、日々の通学などの日常生活全般を支えています。
父や母、時には兄や姉のような身近な存在として一緒に遊んだり悩みを聞いたりすることも大切な仕事の一つです。
入職4年目で活躍中
恵那市の児童養護施設「県立白鳩学園」、桝田さんに聞きました
-ケアワーカーになったきっかけは。
10歳ほど年齢の離れた弟や妹がいるため、幼い子どもと接することは自分にとって自然なことでした。何より、子どもが好きだったため、高校卒業後は保育士資格が取れる専門学校に進学しました。
学ぶ中で、保護者のいない子どもや、何らかの事情で保護者と暮らせない子どもを公的責任で養育・保護し、家庭への支援も行う「社会的養護」について知り、児童養護施設での仕事に興味を持ちました。
一度、保育園に就職したのですが、じっくりと子どもたちに向き合える児童養護施設での仕事こそ、自分のやりたいことだと気付き、白鳩学園で働くことにしました。現在4年目です。
-就職先として白鳩学園を選んだ理由は。
白鳩学園は、岐阜県福祉事業団が運営している県立の施設です。県立の施設という安心感もありますが、在学中に事業団が運営する障害児入所施設へ実習に行き、情報共有がしっかり行われている点と、職員が生き生きとしている点にひかれたことの方が大きいです。「事業団の児童養護施設なら、風通しが良く働きやすい雰囲気なのでは」と選びました。
実際働いてみて、風通しの良さもですし、経験豊富な先輩職員の子どもとの関係の築き方は、日々勉強になることばかりで充実しています。
-仕事の内容ややりがいは。
ここでは現在、年長から高校生までの25人ほどが暮らしています。一時保護の子どもも毎月数人来ますので、早く慣れてもらえるよう、今どんな気持ちなのかなども聞いて寄り添っています。
子どもたちみんなと関わりますが、保護者や学校と連絡を取るために一人一人に担当職員を付けています。私は年長の子ども2人の担当をしていて、この前はこども園に劇を見に行きました。入園したばかりだと思っていた子が、セリフを覚えて堂々と演技する姿を見て「こんなに大きくなって」と感動しました。できなかったことができるようになる姿は大きなやりがいです。きっと育児の喜びと同じだと思います。笑顔を見せてくれたり、何でもないときに「ねぇ、聞いて」と話しかけてくれたりしたときもうれしいです。高校生だと年齢も近いので、アルバイトや恋愛の話で盛り上がることもあります。
ただ、一緒に遊んでいるだけでは務まらないのが、この仕事のやりがいであり難しさでもあります。何気ない会話や言葉遣い、皮膚や歯の状態から感じ取れるものもあります。例えば「家に帰りたい」と言われたときなどは否定はせず、「おうちのどんなご飯が好きだったの」などと聞いて寄り添うとともに、その子がどんな生活をしてきたかなどを想像する上でヒントにしています。
-子どもたちに向けて思うことは。
生きていくために必要な力を身に付けて自立してほしいというのが一番の思いですが、同時に周りの大人に甘えることの大切さも知ってほしいです。ここに来る子の多くは、甘えられる大人が周りにいなかった子です。身近な存在に感じてもらえるよう、他愛もない話をする時間を大切にしています。何でも話してもらえる職員になりたいです。
先日、先輩職員の元へ10年ほど前に退所した方が会いに来ていました。結婚相手や子どもを連れて来てくれる方もいます。職員とその方との強い信頼関係があってのことでしょうからうらやましく思いました。私もここで長く働くことで、そういったつながりも出てくるのではと思うと楽しみです。









