毎年この季節になると「そろそろ運動会の準備が始まる頃だな」と思います。
 子どもの頃、運動会といえば9月から10月にかけて行われるものでした。青い空に万国旗がはためき、赤とんぼが飛び、少し涼しくなった風の中を走る。運動会は秋の風景の一部だったように思います。
 ところが、私がその後移り住んだ東京ではその「常識」がすっかり変わりました。
 運動会は5月に行われることが多いのです。
 考えてみれば、運動会ほど時代や地域の変化を映している学校行事もないのかもしれません。
 私が生まれ育った岐阜市の北の外れでは、小学生の頃、なんと1年に3回も運動会がありました。
 春には「小運動会」。そして秋には「大運動会」と「市民運動会」です。
 今考えると、ずいぶん運動会が好きな地域だったものです。

 それぞれ、クラスや紅白、さらには地域を代表して競い合います。当時の私たちにとっては、どれも遊びではありません。子どもなりにプライドをかけた真剣勝負でした。
 特に市民運動会は、自分が済む地区全体の行事でした。子どもから大人まで集まり、地域対抗で競う。運動会には「学校行事」という以上に、地域の人々をつなぐ役割もあったのだと思います。
 中学生になると年に1回と、回数は減りましたが、それでも運動会は秋でした。

◆大学受験を見据えた体育祭に
 ところが高校に進むと、少し様子が変わってきます。
 私の高校では、体育祭は残暑厳しい9月10日前後だったと記憶しています。...