青山節児市長と面談を終え、取材に応じる川勝平太静岡県知事=1日午後3時39分、中津川市役所

 静岡県の川勝平太知事が1日、リニア中央新幹線の岐阜県駅(仮称)ができる岐阜県中津川市を訪れ、岐阜県駅と中部総合車両基地の工事現場を視察した。青山節児市長との面談後に報道陣の取材に応じ、静岡以外の沿線9都府県でつくるリニア中央新幹線建設促進期成同盟会に加入するため、近く申請書を提出する考えを明らかにした。

 市によると、川勝知事は2日に三重県で開かれる中部圏知事会議に向かうのに合わせて視察に訪れた。この日はJR美乃坂本駅前で市担当者からリニアの工事状況やリニア開業を見据えた市のまちづくりについて説明を受け、車両基地の工事現場を視察した後に青山市長と面談した。

 川勝知事は、住民生活に影響を及ぼすとして静岡工区の着工を認めない一方、自らを「リニア推進派」としている。非公開で行われた面談後の取材で川勝知事は「再申請となるが、改めてわれわれの立場を明確にし、(期成同盟会の愛知県知事)大村秀章会長に申請書を渡したい」と述べた。面談では大井川の水量減少問題を巡る静岡の考え方を伝えたといい「難しい問題を抱えているが、国の協力も受けながら早く解決したい。促進に貢献していきたい」と述べた。

 青山市長は「岐阜県駅周辺はもとより、市内ではリニア関連工事が同時進行しており、岐阜県と同じスタンスでJR東海に説明を求めている。徐々に歩を進めている状況」と述べた。

◆突然打診、市長と面談

 急きょ日程が調整された川勝平太静岡県知事の中津川市視察。大井川の流量減少問題を巡って未着工が続くリニア中央新幹線の静岡工区を抱える中で、静岡県トップが中津川市でどのような発言をするのか注目が集まった。

 市によると、静岡県から視察の打診があったのは先月23日。突然の打診に市側も動揺したが、川勝知事の日程に合わせて何とか調整した。青山節児市長はこの日の午前中に東京であった全国市長会の会合を早めに切り上げ、面談の時間に間に合わせた。

 面談は予定の30分を超える1時間に及んだ。川勝知事は取材に対し、リニア開業を見据えて市が計画する中津川西部テクノパークを挙げ、「最高裁判所を持ってくるのは十分に可能だ」などと首都機能移転に向けた持論を述べた。

 静岡県の要請を受け、岸田文雄首相が環境保全に関する国の有識者会議を設置することを表明したことについては「打てば響くように返ってきた。大変ありがたい」と評価。また静岡県は「リニア整備に反対していない」との立場を強調し、「(全体のルート決定を含め)リニアのできることを早くやってほしい」とも述べた。