岐阜県最北部、飛騨市西部の河合町にあり、大野郡白川村に通ずる自然豊かな天生峠(標高1289メートル)で知られています。

 由来には「伝説によれば、往古隣村月ケ瀬に住む醜女(しこめ)が月影の映る川水を飲んだところ懐妊し当地で男子を出産、その子はのち飛騨匠となり、以来月の子の生まれた当地を『天生』、女が水を飲んだ川瀬を『月ケ瀬』と称するようになったという」とありました。また、甘味料に用いられるツタ「甘葛(あまずら)」が茂っていたとする説もありました。

 天生といえば、東海北陸自動車道の飛騨トンネル(全長10・7キロ)です。工事で用いられた掘削機械は「天生太郎」「夢天生2000」と名付けられました。猛烈な水圧と土圧で両機とも損壊するほどの難工事でしたが、2007年に死亡事故ゼロで貫通を果たす原動力となりました。

(『角川日本地名大辞典』などを参照)

【答え】あもう