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柿の産地、誇り受け継ぐ 高齢農家の畑でブランド柿生産



初の収穫を迎える太秋の生育状況を確認する太田匡隆販売部長(右)と小藪果寿総務部長=本巣市郡府
初の収穫を迎える太秋の生育状況を確認する太田匡隆販売部長(右)と小藪果寿総務部長=本巣市郡府

 柿の産地を守りたい―。富有柿の生産・販売を手掛ける岐阜県本巣市上保の丸金青果(太田義浩社長)が、継続が困難となった農家の畑を借りて、同社では初めてブランド柿「太秋(たいしゅう)」の生産に乗り出し、10月中旬に初の収穫を迎える。市内では太秋の農家は少ない。21日からクラウドファンディング(CF)を活用して支援を募りつつ、知名度向上につなげる。

 同社は1980年に設立し、市内の約500アールの畑で富有柿を生産。昭和初期に初代の太田金造氏が栽培に乗り出したのが始まりで、歴史は長い。

 だが先行きは不透明だ。本巣市は富有柿の産地として知られるが、農業従事者の高齢化による担い手不足が課題だ。こうした中、同社は「産地を守りたい」という思いから、2000年ごろから栽培が困難となった柿畑を借りるなどして継続に取り組んでいる。

 この一環で、太秋の生産にも携わることになった。昨年秋に太秋を生産する高齢農家が、体力の問題などで柿作りの継続が難しくなり、代わりに生産してほしいと打診があった。

 太秋はサクサクした食感でみずみずしく、後味がすっきりした甘みが特長。濃厚な甘さが売りの富有柿とは違った魅力がある。11月上旬ごろに出荷が始まる富有柿より前に出荷するため、富有柿の生産に与える負担も少ない。こうした理由から、この農家から同市郡府の約50アールの柿畑を借り、今年1月から生産を始めた。太田匡隆販売部長(27)は「想定より生育が良く生産は順調」と話す。

 販売促進では、太田部長と小藪果寿総務部長(28)の若手が、CF大手の「READYFOR(レディーフォー)」の活用を企画。太田部長は「若い人にも柿に興味を持ってもらい、消費者の裾野を広げて産地の活性化につなげたい」と意気込みを語る。

 10月21日まで3千~1万円の3コースで支援を募り、収穫した太秋などを送る。募る金額の目標は20万円で、柿のPR費用などに充てる。すでに目標の7割を超え、「不安だったが思ったより反響があり、良いスタートを切れた」と小藪部長は安堵(あんど)する。

 柿畑では果実が徐々に色づき、今季は約150箱(1箱当たり800グラム以上)の収穫を目指す。今後、太秋は増産予定で、太田部長は「富有柿と同じくらい認知度が高まってほしい」と話す。同社の挑戦は始まったばかりだ。

カテゴリ: くらし・文化