岐阜県高山市一之宮地区は宮川の源流に位置し、南西には標高1529メートルの位山がそびえる。北側斜面にはたくさんのイチイが育ち、巨木群をなす。2002年度の調査では、17ヘクタールに150本以上あると分かり、最も太い幹の直径はおよそ1メートル。この巨木群は03年、市の天然記念物に指定された。宮川の最も上流の谷に立つ市指定天然記念物「ツメタのイチイ」=写真=は高さ25メートル、幹周り6・9メートルもあり、樹齢は2千年と推定される。

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 位山のイチイは、天皇が儀礼に用いるしゃくの材料に使われた。記録が残るものでは1259年に献上されている。2019年にも天皇陛下の即位に関する一連の儀式のため、樹齢300年のイチイ3本で作ったしゃくを納めた。

 山頂に通じる登山道沿いに、「豊雲岩」「朧岩」といった大きな石が見られる。古くから遺構研究の対象となったが、謎に包まれている点はいまだに多く、霊山の象徴の一つだ。