岐阜県下呂市などで大きな被害をもたらした「令和2年7月豪雨」から2年。近年、岐阜県を含め日本各地で豪雨災害が多発している。豪雨をもたらす気象メカニズムの一つが、次々と発生する積乱雲が数時間にわたってとどまる「線状降水帯」だ。気象庁は6月から線状降水帯による危険な大雨が発生する予測を約半日~6時間前に発表する情報の提供を始めた。岐阜地方気象台の高橋賢一台長は「発生予測は絶対ではない。先手先手の行動で命の危険を回避してほしい」と呼びかけている。
線状降水帯予測は全国を11ブロックに分けて発表する。岐阜は「東海」に含まれ、「東海地方では、線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性がある」といった呼びかけ文で情報が出される。
線状降水帯は長さ50~300キロメートル、幅20~50キロメートル程度で数時間にわたって同じ場所で激しい雨を降らせる雨域を指す。このうち危険を及ぼす可能性のあるものが発生予測情報の対象になっている。
全国各地で頻繁に発生しており、すぐに弱くなったり移動したりするものもあれば、同じ場所で非常に激しい雨を数時間降らせる危険なものもある。県内では2018年の西日本豪雨や令和2年7月豪雨でいずれも発生予測情報発表の基準には達していないが、各地で大きな被害が出た。高橋台長は「線状降水帯の情報が出ていないから大丈夫というわけではない。発生予測は絶対ではない」と注意を促す。
西日本豪雨では、関市板取で降り始めからの降水量が約5日間で900ミリを超えた。市内の津保川が氾濫し、各地で土砂崩れが発生した。令和2年7月豪雨でも下呂市萩原で48時間降水量が550ミリを超えた。飛騨川が氾濫し、飛騨地方の道路や鉄道は寸断された。
新たに始まった線状降水帯予測は、発生の約半日~6時間前に発表される。すなわち、危険な状況になるまでには時間の猶予があるが、高橋台長は「『これまで大丈夫だった』『雨が降っても大したことにならなかった』などと油断して何もしなければ予測の意義を失う。先手先手の行動で命の危険を回避してほしい」と呼びかける。










