自分たちが開く「高校生カフェ」の在り方について意見を発表する生徒ら
「どんなカフェにしようか」。本紙の記事を読み込んで、頭をひねる=いずれも関市桐ケ丘、関商工高校

喫茶文化に興味

 関市桐ケ丘の関商工高校で先月、生徒たちによって「SekiShoko Company」(関商工カンパニー)が発足した。正しくは模擬会社だが、地域の企業などと連携し、商品開発などさまざまな経済活動を行う。その中で、「高校生カフェ(仮称)」の実施を目指している総合ビジネス科流通コース3年の生徒は、本紙の記事を参考にしながら、自分たちならではのカフェの運営を思い描いている。

 高校生カフェは、同市のわかくさ・プラザにある「カフェほんわか」の施設を活用し、11月に開店の予定。専門店と共同開発する和菓子を販売するなど、生徒が実際の経営を学ぶ場としていくため、今は課題研究の授業を使って計画づくりに取り組んでいる。

 生徒たちが参考にしたのは、中濃版(6月11日付)に載った加茂郡八百津町の高齢者サロン「きらりカフェ」の記事と、現在、くらし面で連載中の「ときめき喫茶文化@岐阜」。担任の酒井健志教諭(41)は、両方の記事から喫茶店の在り方に関わる内容を生徒に読み取らせ、問い掛けた。「喫茶店とカフェの違いは何か。君たちはどっち派?」

 反応は予想外で、36人中33人が喫茶店派だった。喫茶店派は「モーニングサービスが豪華」「友達とゆっくりできる」、少数派となったカフェ派は「おしゃれ」「落ち着ける」といった声が出た。酒井教諭は生徒の意見を取り入れながら「喫茶店は他の人と楽しめる、幅広い世代が楽しめる場所。カフェは個人で楽しむ場所。あらゆる世代の人々の来店を目指す『高校生カフェ』は、両方の要素を持つべきでは」とまとめた。

 今後も授業があり、生徒たちは自分たちのカフェとしていくためにさらに考えを深めていく。店長に就く武山雛乃さん(17)は八百津町のカフェの記事から高齢者らの生きがいを感じ取った。「あらゆる世代の人が自然と集まり、楽しめる場所にしたい。多くの人々の出会いの場になれば」とイメージを膨らませた。武藤敦暉さん(同)は喫茶文化の連載記事を驚きを交えて読んだ。「自分でも実際に喫茶店に行って、見てみたい」と意気込んだ。

 山田雄治校長(58)は「新聞は社会を知るための大きな情報源。学習のために読むことが良いきっかけになる。そしてカフェを開くことで実際に社会と関わりを持ち、地域に貢献できることを期待している」と話している。