使用済み紙おむつを一時的に保管するためにクラスごとに置いているごみ箱=各務原市前渡東町、前宮そらまちこども園

保護者「衛生的」施設「何の問題もない」

 昨年4月に完成した園舎に園児の元気な声が響き渡る「前宮そらまちこども園」(各務原市前渡東町)。2012年度に市立保育所から民営化され、同時に使用済み紙おむつの持ち帰りを園での処分に切り替えた。保護者からは「車の中が臭わずに衛生的」「帰宅途中に買い物に寄れる」と好評だ。

 園では2歳児クラスまでの40~50人が紙おむつを使っている。使用済み紙おむつを一時的に保管する専用バケツを各クラスに設置。便の時はトイレに便を流した後、紙おむつをビニール袋に入れて縛り、バケツに入れる。週2回、業者に処分してもらっている。処分費は園が負担している。

 持ち帰りの場合、園児一人一人のバケツを用意し、保管場所を確保しなければならない。さらに、他の園児の紙おむつを保護者に渡さないように注意が必要となり、職員の負担は増す。

 便に異常があれば、保護者に口頭で伝えたり、保管して見せたりしている。感染症が疑われる便はすぐに処分している。薫田恵子園長は「持ち帰った紙おむつを広げ、確認する親はまずいない。親も職員も手間が省ける」と施設処分のメリットを語る。

 施設処分に切り替えた自治体からも目立ったトラブルや不満は聞かれない。各務原市の公立保育所は2019年度から持ち帰りをやめ、施設での処分を始めた。導入前後で比較すると、処分費は1園当たり平均月5千円程度。市の担当者は「持ち帰りの時は園舎内が臭うこともあった。保育所での処分に変えても何の問題もない」と話している。