使用済み紙おむつを一時的に保管するためにクラスごとに置いているごみ箱=各務原市前渡東町、前宮そらまちこども園

 公立の保育施設で保護者が子どもの使用済み紙おむつを持ち帰る負担をなくそうと、施設内で処分する動きが岐阜県内で広がっている。岐阜新聞社が県内の全21市に公立の保育所や認定こども園での対応を聞いたところ、保護者が持ち帰ると答えたのは5市のみ。うち2市は新年度から施設での処分に切り替え、3市も見直しを検討している。厚生労働省は1月下旬に紙おむつを保育所で処分することを推奨する通知を各自治体に出しており、専門家も「園での処分は保護者や保育士の負担を軽減できる」と歓迎する。

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 紙おむつの持ち帰りについて、無料通信アプリLINE(ライン)で読者とつながる岐阜新聞の「あなた発!トクダネ取材班」(あなトク)に、保護者から「園での処分に変更してほしい」などと意見が寄せられた。

 今月上旬に21市に電話で問い合わせて調べた。大垣、多治見、中津川、恵那、郡上の5市の公立施設では、保護者が紙おむつを持ち帰っていた。14市は施設で処分し、処分費用は公費で負担。美濃市と羽島市は公立保育施設がなかった。

 郡上市の担当者は「保護者に子どもの健康状態を確認してもらうため」、中津川市は「慣例でそうしていた」などと回答した。恵那市は、健康状態の確認に加え「使ったおむつの数を把握して、園に補充してもらうため」と答えた。

 一方、多治見市は、「紙おむつを再び広げて確認する保護者は少数」などとして、4月から施設での処分に切り替える方針。大垣市も6月から始める見通しだ。郡上市は厚労省の通知前から施設での処分を検討。中津川市と恵那市は通知を受け、具体的な検討に入る。

 私立の認可保育施設では運営団体が各自判断しており、高山市や関市などは全園が施設で処分しているという。4月からは、私立認可保育施設に処分費の支援を始める自治体もある。飛騨市は3歳未満児を対象に1人当たり月300円の支援金を交付し、大垣市は1人当たり月50円を補助する。飛騨市の担当者は「処分費をほぼ賄える」と話している。