岐阜県では、養豚農家が豚のえさや飼育方法にこだわり、さまざまな独自の銘柄豚肉を生産している。

 おいしい銘柄豚肉があることを知ってもらい、県内に幅広く周知するための一環として、県内の養豚農家、販売店、商品化などに携わる豚肉関係者を紹介していく。

VOL.02 ハシエダ養豚

山県市松尾115-19
☎0581-36-3947

独自の飼育方法で生産 県産ブランド「山県ボーノポーク」

バリエーションに富んだ県産のブランド豚肉

 山県市の自然豊かな環境で、40年以上養豚場を営むハシエダ養豚の社長・橋枝雄太さんは「県内の各養豚場で飼育している県産のブランド豚はどれもおいしい」と自信を持って話す。認知度の高い飛騨・美濃けんとん、美濃ヘルシーポークなど岐阜県産のブランド豚肉はバリエーションに富んでおり、ハシエダ養豚では「山県ボーノポーク」を生産している。

 各農家で独自の飼育を行っていることが、さまざまな特徴を持つ県産ブランド豚肉を輩出している要因といえる。「それぞれ味の違った豚肉を食べ比べながら、消費者が自分に合った豚肉を選んでくれれば」と橋枝さんは言う。

命をいただくことに感謝して豚と接する

 「豚はデリケートな生き物だからストレスをかけずにすくすく育てたい」と話す橋枝さん。それだけに衛生管理や防疫体制はしっかりと行っている。「豚の命をいただいているという感謝はいつも忘れずに持って豚と接している。その気持ちは他の養豚農家も同じ」と語るように、日々の飼育に精力的に取り組んでいる。

防疫体制の強化とよりよい環境づくり

 2018年に県内の各養豚農家で発生した豚熱。橋枝さんは「もう豚を飼えなくなるのではないかと思った」と辛かった当時を振り返り、「県内産の豚肉の流通が滞ることが怖かった。いつも同じ時間に同じ物を届けることが畜産農家のすべきことだから」と言う。それでも、しっかりと豚にワクチンを接種できる状態が整い、ようやく各農家で豚の飼育を再開できるようになった。

 この経験を通して「防疫体制の強化と豚への感謝の思いはさらに強くなった。これまで以上に豚がすくすくと育つ環境をつくってあげたい」と決意する。

精魂込めて育てた豚を消費者へ届ける

 「県内の生産者は精魂込めて豚を育てている。豚肉を売っているお店に聞けば、どこの農家が育てていてどういった特徴の豚肉なのかもわかるはず。気になる豚肉があれば聞いてみてほしい」と豚肉を買い求める人たちにお勧めする。

 養豚農家としてのやりがいを「消費者から『あなたのところの豚はおいしいね』という声を聞けたらうれしいし、おいしい豚肉を食べることで幸せな気持ちになって、日々の生活を頑張れるようになってほしい」と語る。これからも県産豚肉の魅力を、県内の畜産農家と共に精力的に発信していく。