県岐阜商のエース森
大垣商の左腕トリオの一人篠田
東濃実のエース長谷部
中京のエース桑田
大垣日大のエース権田
地区大会で打率5割超えの県岐阜商の主軸垣津
エースで4番の帝京大可児山田
今夏も活躍した市岐阜商トップバッター足立

 22日に組み合わせ抽選会が行われた秋季岐阜県高校野球大会。優勝争いは今夏の主力が多く残り、個々の能力が高いCブロックの県岐阜商(岐阜1位)が軸となりそう。中京(東濃1位)、大垣日大(選手権出場)、帝京大可児(中濃・飛騨2位)などまれにみる強豪校がひしめく死のブロックとなったBの勝者が追う。注目は1年に好素材がそろう岐阜第一(岐阜5位)。東濃実(中濃・飛騨1位)、市岐阜商(同2位)の2校が同ブロックで立ちはだかる。Dブロックの左腕トリオ擁する大垣商(西濃1位)も虎視たんたん。3枠に増えた選抜の東海枠を目指す。

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県岐阜商のエース森

投打ともに戦力充実のV候補筆頭県岐阜商

 県岐阜商は今夏も主力だった絶対的エース森厳徳が安定。鍛治舎巧監督の完投方針で、強豪との練習試合はじめ市岐阜商との地区決勝でも失点3ながら自責ゼロで完投。中1日の22日の修徳(東東京)との練習試合でも完封した。直球の質も上がり、決め球のスライダーも切れ味抜群。同じく140キロ超えの池田諒真、関谷大翔もいる。

 打線は相変わらず緩い球が課題だが、連日の5カ所打ちに加え、逆方向への特打ちを敢行。初戦までは2週間以上あり、レベルアップして県大会に挑む。前チームからの主力に加え、地区決勝の市岐阜商戦でサヨナラの足場をつくった代打で二塁打の水野陽喜らも台頭し、底上げ。初戦は岐阜と飛騨高山の勝者だが、地区で苦戦した岐阜が勝てば、成長の指標となる。西濃2位の海津明誠、県岐阜商と地区で激戦となった岐阜聖徳も挑む。

中京のエース桑田

中京、大垣日大、帝京大可児 最激戦のB

 激戦のBブロックの1位校は中京。今夏も好投した右腕桑田剛心が中心だが、地区準決勝多治見工戦で好投した山本陽遥や1年の好素材がおり、投手陣を整え、県大会に臨む。打線は今夏も出場していた主将三浦暖都や捕手田辺健司らが軸。

大垣日大のエース権田

 選手権出場の大垣日大は新チームの立ち上がりが遅れたが、権田結輝が投打の中心。今夏出場の高川莉玖、山内伊織らがけん引する。初戦が岐阜城北、勝つと美濃加茂と岐阜総合の勝者と強敵ぞろい。

 同ブロックで注目なのが帝京大可児。地区決勝では東濃実に敗れたが、エースで4番の山田隆太はじめ入学前から最速142キロの1年富田櫂成、左腕楠本彩仁と投手力は高い。打線も今夏の経験者が多く、悲願の甲子園出場に向け、激戦ブロックを戦い抜く。

底上げして県に挑む注目校・岐阜第一

 Aブロックで最注目が岐阜第一。地区大会は激戦の連続で5位シードだったが、期待の1年生左腕水野匠登が練習試合の大阪桐蔭戦で敗れたものの好投し、自信を付けた。地区は投げなかった2年の鑓水佑哉も復帰。4番で捕手の永安弘和は地区では本塁打1本だったが、打撃好調。今夏出場していた1年のほかにも結果を出している選手がおり、田所孝二監督が頭を悩ませるほど層の厚さも増し、県大会に挑む。

 岐阜第一に挑むのが市岐阜商。大型右腕平塚大記、左腕森川柊翔の二枚看板に、今夏も2番だった足立義虎が1番でけん引する打線で挑む。

東濃実のエース長谷部

 東濃実は昨夏、1年で県岐阜商相手に好投したエース長谷部虎太朗が地区で美濃加茂、帝京大可児を撃破。今夏の経験者も多く、ブロック制覇に挑む。

 大垣商は近藤颯俊、高橋優斗、篠田諭良の左腕三枚を擁し、長打力のある日比颯真や主将で捕手の草ノ瀬敢心らが打線を引っ張る。Dブロックでは1年生エース兜森健心擁する関商工、東濃2位で粘り強い中津商、岐阜3位の長良が追う。

森嶋哲也(もりしま・てつや) 高校野球取材歴35年。昭和の終わりから平成、令和にわたって岐阜県高校野球の甲子園での日本一をテーマに、取材を続けている。