先週は岐阜県飛騨市の「大無雁(おおむかり)」を紹介しました。雁は鳥のガンで、カリとも読みますが、地名の由来は鳥ではなく川面に立つ「もや」を指す「靄(むかり)」でした。

 雁曽礼は津保川支流、武儀倉川の上流部に位置しています。地名由来の重きは「雁+曽礼」の「曽礼」の方にあるようです。

 「ソリ」や「ソレ」は、古来から焼き畑を表す言葉でした。また、奥の方を指す場合に「ウレ」と言うこともあったそうです。当地は山あいの傾斜地にあることから、「焼き畑をする奥地」という由来が考えられるということでした。焼き畑の慣行地であることを示す地名は、飛騨地域をはじめ全国にあります。

 この地の山を、雁が外れて飛んで行ったという伝説もあるそうです。もくもくと上がる焼き畑の煙を仰ぎ見ると、空には雁が飛んでいた-。そんな由来が想像できる地です。

(土屋一『郷土の地名』などを参照)

【答え】がんそれ